鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』 2007〜2009

所在地:新潟県十日町市

主要用途:美術館


規模:木造2階建

(小学校からの用途変更)

敷地面積:6236.0 m2

建築面積: 738.8 m2

    (うち美術館部分 442.3m2)

延べ面積:1233.6  m2 

    (うち美術館部分 887.6m2)


建築主:NPO法人越後妻有里山協働機構

設計:サイクル・アーキテクツ・

    マチカ建築設計共同体

   (マチカ建築設計との設計JV)

構造設計協力:間藤構造設計事務所

設備設計協力:明野設備研究所

照明計画:,,,and LIGHT

施工:丸山工務所

 

・新潟県十日町市鉢集落、旧真田小学校。

 2005に廃校になった、この小さな木造小学校を改修し、「絵本と木の実の美術館」として、2009年7月にオープン。雪が厳しい冬季をのぞいた、春〜秋、開館。

 

・絵本作家・アーティストの田島征三氏による『学校全体をまるごと絵本にする』という構想のもと、2009年夏の『大地の芸術祭・第4回越後妻有トリエンナーレ』に向けてリノベーションを行った。

 時を経た木造校舎の良さを活かし、この学校が持つ透明な明るさを引き継ぎつつ、新たな用途・展示にあわせ、個々に性格を持たせた空間を提案している。

 

・木製建具や漆喰仕上の学校らしさはそのままに、1階カフェや図書室については、

 照明を工夫することなどで、新たな、各室の表情を持たせた。

 カフェの家具は、征三氏の長男で造形作家の田島燃氏が、生徒達がつかっていた机と椅子のフレームを利用して、特別に製作したもの。

 ワークショップルームでは、再利用した蛍光灯をランダムに吊り、床の半分に土を入れる試みをしている。


・2階展示室では、天井裏に隠れていたトラス組の小屋組を見せ、黒板だけを残して上部・左右の土壁を取り払い、2教室ずつをつなげることで、懐かしい教室の空気はそのままに、広がりをもった展示室として、田島氏の作品展開に応えようとした。

 物語の道しるべとなる木の実のオブジェが、高く高く束の間をのぼり、大きな和紙や流木作品が梁から吊るされ、来館者は、真田小の最後の在校生3人を主人公とした立体絵本の世界に、身体ごと入っていくことになる。

 田島氏が30年間抱いていたという「空間絵本」の構想が、現実のものとなった。



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